Specialite より、「午前２時のエンジェル」

初めてこの曲と出会ったのは、今からおよそ半年ほど前。NHK-FMでかかったときだ。
普段私は車を運転しているときしか、FM放送を聴かない。どちらかといえば、バッググラウンドに聞き流していることが多いのだけれど。
そのときは、違った。耳が釘付けになったのだ。
別に、リズムが激しいわけでも、アレンジが新しいわけでもない。突飛なことなど何も無い。ただ、シンプルに声とメロディを聴かせる曲だ。
だけど、私はしばらく、サビの部分が忘れられなかった。


かの香織は、知っていた。デビュー当時のグループは、ショコラータ……なんて言っても、多分、はてなのリンクにも引っかからないだろうな。
オペラをベースにしたポップユニットなんて、初めてで、衝撃を持って迎えられたように思う。
私としては、坂本龍一の「未来派野郎」に収められた「大航海」の印象が強いけれど。


ラジオ放送で気に入ってCDを買いに行った経験は、皆無ではない。最近では、キンモクセイの「二人のアカボシ」がそうだし、ジャングルスマイルなんかもそうだったな。他には大塚純子の「キャミソールより祈りをこめて」とかね。
でも、今回は、割とスローな曲だったし、精神状態にも左右されるから、と、一時保留にして、すぐに買いには走らなかったのだ。


そして、今日。街はクリスマスイルミネーションに彩られ、ラジオもクリスマスの話題ばっかり。正直なところ、ちょっと辟易していた。
そんな中、打ち合わせに向かう車の中で。かかったのだ。
今日はたまたま私の車ではなく、ヴォリュームも控えめだった。ノイズで途切れ途切れになりながらも、「急げ　午前２時のエンジェル」というフレーズが聴こえてきた。
そのとき、突然今涙を浮かべたりしたら、どう思われるのかな？　なんて思いながら、仕事が終わったら買いに行こうと決めた。


幸いにして、CDショップに一枚だけ、このベスト版があった（正直に言おう。中古だ。ゴメン）。
全体的にテンポがゆっくりめの曲が多く、オトナの女性シンガーのアルバムとして、長い時間じっくり楽しめそうなアルバムだと思ったよ。


Merry X'mas